薬の副作用が原因で足がつる【薬剤師執筆】

投稿日:5月 12, 2017 更新日:

病気の治療を目的に服用する薬の副作用が原因で足がつる、こむら返りが起きる場合もあります。

ここで気になることは、

『なぜ薬の副作用で足がつるのか?』

ということです。

副作用で足のつりをおこす薬


薬の副作用で足がつる、この点を解説していく前に副作用で足のつりを起こす薬の表をご覧ください。

分類 成分名
β遮断薬 塩酸カルテオロール、ピンドロール、塩酸セリプロロールなど
ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬 フェロジピンなど
ベンゾチアゼピン系カルシウム拮抗薬 塩酸ジルチアゼム
甲状腺機能亢進症治療薬 チアマゾール
ループ系利尿薬 フロセミド、トラセミド、アゾセミド

参考サイト 東京医科大学病院 薬剤部より

この薬を分類していきます。

  • 高血圧、狭心症の治療薬であるβ遮断薬、カルシウム拮抗薬
  • 甲状腺亢進症の治療薬
  • むくみや、高血圧の治療薬である利尿薬

3種類に分類できます。

薬の副作用で足がつる原因

それぞれつりが起こるメカニズムが異なるように考えられますが、現状では決め手となる学術論文は見当たりません。

一説では、末梢への血液の流れが滞ることにより起こるといわれています。

また、対処療法に終始するだけで、根本的な治療法はまだ確立していないのが現状です。

ここでは、高血圧薬についての一説を述べます。

高血圧薬は血圧が上昇しないように抑える薬です。
飲んでいると血圧が低くなるため、血行不良を起こしやすくなります。
寒い時期は自然と血行も悪くなりますので、気温の低下と血行不良による体の冷えが原因でこむら返りを起こす事があります。
高血圧の薬は血圧を下げますので、冷えからこむら返りを起こしやすくなると言われています。
高血圧の薬には種類がありますので、体に合っていない場合は薬を変える事が最適です。

余りにも頻繁にこむら返りを起こすようなら、一度医師に相談してみましょう。
効果は同じでも副作用の低い薬に変える事で、こむら返りを起こしにくくなるかもしれません。

足がつる副作用が起きた場合の対処

一般的なこむら返りや足のつりの予防として、水分やミネラルをしっかり摂取する、足首やふくらはぎを冷やさないようにするなどの対策を行っていても、夜中寝てる時に足の筋肉が痙攣を起こし、激痛がある場合などは薬の副作用も十分考えられます。

このような薬の副作用で足がつったと考えられる場合、どうすればいいのか?

まずは、医師、薬剤師に直接ご相談ください。
医師であるならば、診察時に足がつることが多いこと、また、飲んでいる薬が原因で起こっているのでは、という不安が伝わるようにお伝えください。

医師に直接ご相談することのメリットとしましては、その場で別の薬をすぐに処方していただける可能性が高いです。また、足のつりによく効く漢方薬も処方される可能性が高いということです。

デメリットは言うまでもありませんが、話を切り出しにくいということでしょうか。
そのような場合、薬を受け取る薬局の薬剤師に相談ください。
薬剤師であれば医師と比べると比較的話しやすいという傾向がみられます。しかしながら、医師のように処方権がまだないので、薬を途中でやめたとしても代替薬を処方できません。薬剤師は医師に連絡をいれますので、そこで代替薬がでる可能性はありますが、病院に来るように、と言われることが多いかもしれません。

痛みがひどい場合

最後に、普通の足のつりの痛みを超えるような激痛が出た場合の原因です。

それは、横紋筋融解症横紋筋融解症の疑いがあります。

横紋筋融解症とは,筋肉をつくっている骨格筋細胞が溶けたり死んでいったりして,筋肉の成分が血液中に流れでてしてしまう病気です。
その際,筋肉の成分であるミオグロビンが大量に流れでて,腎臓に負担がかかる結果,尿が出にくくなるといった腎障害を起こしてしまうことがあります。

ミオグロビンは,主に心筋や骨格筋に含まれているヘム蛋白質のひとつで,筋肉組
織内に血液中の酸素を運ぶ働きを持っています。
横紋筋融解症の原因には,圧挫症候群や痙攣などによって筋肉に強い衝撃が加わって発症する場合や,熱射病,薬物,代謝異常があります。
その他,心筋疾患,甲状腺機能低下症なども血中ミオグロビン値を上げる原因ともなります。
横紋筋融解症を起こす有名な薬として高脂血症の治療薬であるスタチン系、フィブラート系、ニューキノロン系の抗菌薬があります。
こちらの場合も発生機序は不明です。
しかしながら、筋肉が痛む、こわばるといったつりに似た症状があります。
ここで注意していただきたいのは、尿の色が赤褐色になるということです。
筋肉が溶け出し、尿の中にも流れ出ているため赤褐色となります。
中には、ただの筋肉痛と思い込み、そのまま放置している方もおられるので上記の症状がある場合は医師、薬剤師に早急に相談してください。
薬剤の中止が急を要するからです。
ご自身の判断では決してやめないでください。

執筆者プロフィール

薬剤師 古賀 正人
大阪大学大学院 医学系研究科 中途退学後 薬剤師として勤務
現在、薬剤師としての勤務の傍ら、幅広く薬に関する相談をお受けしております。
薬剤師としての薬の知識を身につけ、さらにコーチングを取り入れよりよい服薬指導方法を研究中です。薬剤師としての基本理念は『会社のためではなく、患者さん、お客さんのためを第一優先に』です。薬剤師として一個人としてご連絡いただける方は大歓迎です。
kg.masa10@gmail.com

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